これだけ転職が一般的になった時代でも、ほとんどの人たちがキャリアパスを考えられていない国も珍しいのではないか。
割と、20代で技術を身につけ、30代でこの仕事をやって、40代でお金を集めて、50代で起業し一生続けられることを見つけ、60代で社会に還元、70代から余生。
みたいな、なんとなく生きている人たちもいるかもしれない。
会社に一生を捧げるなどという考えがないアメリカなどでは、こっちの方が普通なのではないだろうか。上海の記事でも、it関係の社長がタクシードライバーの副業を始めることはあるらしい。
経営者が時代を読み間違えて、潰れることはよくあることで、だからと言って悲観に暮れることはない。
人権もわからないような場所で尊厳を失いながら仕事を続けていくのも馬鹿馬鹿しい。
技術を身につけ、仕事も一人で回せるようになると、続けていくかどうかで悩む人も多いだろう。次なる目標が必要だ。
異世界系のラノベでも同じことが言える。
異世界系のラノベの作者も読者も気づいていると思うが、冒険者を一生続けていくのは無理だろう。レベルが高いからなんでもできるというのは、力で抑えつければどうにかなる理論と同じで、世の中はそんな単純にはできていない。20代や30代くらいまでだろう。
異世界系のラノベが流行り始めて、すでに20年近い。少なくともいろんなブームも一周している。オープンワールドのゲームも増え、異世界系の漫画もアニメも見る。
環境が整ってしまった。この中でどういうキャリアパスがあるのか。
奇しくも日経平均株価が史上最高値を更新。投資家たちも多くお金を集めることができただろう。この後は、何を目標にお金を集めるのか、使うのかというフェイズに突入すると予測できる。
異世界では、冒険者など何でも屋家業からすると、中堅どころで安定して魔物を狩れる時期だが、無理に強い魔物と戦う必要はない頃だろうか。身体も動かなくなってきて、体力も落ちてきた。
引退して奴隷を買った冒険者は、幸せと言えるだろうか?
実はそんな話も書いている。
自分の幸せか、誰かの幸せか、それとも社会的な地位に固執していくのか、新しい事業を立ち上げるのか、すでに見つけている人は強い。
先日、考えていた異世界小説のアイディアは『異世界キャリアパス』だ。
冒険者として安定し始めたのに、仕事へのやる気を失った主人公が、どうやって生きていくのか、真剣に考える話だ。
転職しないまでも副業を考えている40代は多いだろう。株式投資をやっている同世代が稼いでいく中、自分はどうしようかと悩む人も多い。好きだったものを思い出す人もいる。
冒険者もきっとそうだ。副業で店を出したり、酒の相場に手を出してみたりしているかもしれない。
そういう話を書けるといい。
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